呪い
今でこそ、自称天才美少女だが、親からの評価は正反対だった。
「馬鹿で不細工で誰にも愛されない社会不適応者」
それが幼少時に母からかけられた呪いの言葉だ。
残念ながら、誰もが郷里を愛しているわけではない。
牢獄に留まるよりも、片手一杯の薬を飲み、3時間睡眠でフラフラしながら仕事をする生活の方がはるかに幸せだ。
「容姿端麗で知性に溢れた自分は、きちんと社会で生きている」
これが自分で自身にかけた呪いだ。
他人の呪いなど2度と受けない。
褒めがいがなくてすまんな。
残念ながら、「誰にも愛されない」に関しては、呪いが解ける気配がない。
おかげで誰かに嫌われる恐怖を味わったことがない。
いつか解き放たれる時が来るのかもしれないが、別にこのままでも良いかな。
今、自分はわりと幸せだ。