再録

 

成長するって欲求をコントロールできるようになるってこと。

そんな育児関連の話を聞いた。

人間は欲深い。

際限なく欲しがる生き物だ。

コントロールを失うことが怖くて、欲そのものを否定してしまう気持ちもわかるよ。

 

味覚の中で、旨味は一定量以上入っていても認識できない。

塩味なら「しょっぱい」と吐き出すことができても、過剰な旨味を認識できずに食べ続けてしまう。

求めすぎてしまう。

承認欲求も旨味と同じ類のものだ。

厄介だね。

 

なんでも過剰に供給される現代社会だ。

インスタントな情報やインスタントな人間関係。

インスタントな個性とインスタントな承認。

そんな生活に慣れきってしまって、私たちはインスタントな生活を手放せない。

古典的な生活に戻って、地道な努力をするなんて無駄に思えてしまうよね。

 

絶対的な承認が欲しいくせに。

絶対的な個性がなくて死ぬほど苦しんでるくせに。

 

絶対的な承認は地道な努力の末にようやく手に入る。

そんなかっこ悪くて効率の悪い努力をしてこなかったのなら、インスタントな生活にひたりきって、インスタントな承認欲求を満たして生きるしかないよ。

不相応な報酬を求めて、手当たり次第食べても、過食症になるだけ。

欲しいものは永遠に手に入らない。

 

無意識なんだろうって思うけど、コスパよく承認を得ようなんて考えは捨てたほうがいいよ。

凡人として無個性にインスタントに生きるのも悪くないよ。

それが嫌なら努力しようね。